受託加工コラム

OEM COLUMN

生薬の殺菌・刻み加工と当社の品質管理体制について

2017年5月に医薬品製造業(刻み加工)許可を取得し、当社奈良工場において、生薬原料の受託加工を承っております。受託加工業としては後発組ですが、お客様からは「製造工場がきれい」「品質がよい」「受託費が相場よりも安い」と高評価を頂いています。今回は生薬の刻み加工をおこなう加工場の紹介や、加工内容について紹介していきます。

 

【加工場と品質管理体制】

第二工場の位置写真

現在、当社奈良工場の敷地内には複数の工場棟(蒸し棟/焙煎棟/倉庫棟/第二工場/事務所棟/新倉庫棟ほか)がありますが、1998年に新設した第二工場(旧:名阪工場)が最も古い建物です。
右の写真が2023年現在の奈良工場の航空写真ですが、写真奥の建物が第二工場です。この建物の中で生薬の刻み加工や粉末加工をおこなっています。後にご紹介する「焙煎加工」については、第二工場の中にある焙煎機もあれば、焙煎棟にも所在しています。

FSSC22000認証取得工場

2012 年に食品安全マネジメントシステムに関する国際規格である「FSSC22000」を奈良工場で取得しています。社内に食品安全チームを設置し、食品安全方針に基づいてマネジメントシステムの運用を行っています。そのため、第二工場の建屋自体はやや古いですが、工場管理や衛生面に配慮しており、監査に来られたお客様からは「衛生面や清潔感の高さ」を特に評価されています。特に、食品を扱う会社が「生薬原料の刻み加工」を行うケースは少ないようで、生薬原料の刻み加工をおこなう業界の中ではトップクラスの清潔さと言われています。

品質管理体制

当社のメイン事業は飲料原料分野で、飲料メーカー向けにペットボトル飲料向けの原料を製造しています。同じ素材(穀物)でも、品種や収穫時期の違いに加え、焙煎の時間や温度の違いによっても風味が変わります。そのため研究開発から検査、成分分析を行う体制を整え、データに基づいた商品提案や成分などの抽出効率の向上を実施しています。
そのノウハウを生薬の加工分野でも活かし、品質の高い加工を供給しています。

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【KGSで出来る受託加工】

殺菌目的の焙煎加工

試作品:黒ウコン葉の焙煎品

生薬は医薬品や医薬部外品、食品、化粧品などに使用されており、後工程で微生物基準を設けられているケースが多いです。そのため、殺菌工程が必要となりますが、生薬原料の殺菌方法は「過熱水蒸気殺菌」が主流となっています。しかし加工賃が高いことがネックとなっています。
当社では焙煎加工による殺菌方法をご案内しており、上記相場価格のコストダウンが可能です。当社では数種類の焙煎機を所有しております。素材との相性や殺菌効果が異なるため、試作テストにて効果を確認いたします。なお各有効成分の含有量については自社で測定できず知見が乏しいため、お客様での検査・管理をご依頼しています。

②粉砕/微粉砕加工

試作品:甘草の焙煎品

試作品:甘草の焙煎品

当社では粗砕機や粉砕機、微粉砕機を複数所有しています。
粉砕加工では、葉物~丸太状まで幅広いものの粉砕が可能で、製造能力の異なる2台を所有しています。そのため粉砕加工のみであれば、小ロット~大ロットまで幅広くご対応しています。
微粉砕加工では、気流式粉砕を採用し、比較的熱が入りにくい方法で加工しています。機械自体の分解洗浄が可能なため、衛生的な加工が可能です。また微粉砕粒度を自社で測定することが可能です。
【参考記事:生薬原料を刻む理由とKGSで出来る加工

■採用事例:桂皮の焙煎+微粉砕加工

シナモンパウダー

実際に採用された受託加工事例についてご紹介します。
依頼主 :医薬品メーカー様
加工内容:「焙煎」+「微粉砕」
依頼背景:既存先で委託されていましたが、殺菌費用が高く、コストダウンを図りたいため当社へ受託加工を依頼されました。

当社へ採用を決められたポイント
①コストダウン:殺菌費用が以前と比較し、50%以下に抑えることが可能。焙煎加工による十分な殺菌効果が確認できました。
②工場が清潔 :工場見学の際、「他の生薬原料の一次加工工場と比較し、非常に清潔で、管理も行き届いている」との評価。
③製造者が若い:一般的には製造者の高齢化が進んでいますが、当社従業員は20~40代が中心で、若い世代が活躍しています。

生薬の受託加工にご興味がございましたら下記フォームよりご相談ください。

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コラムの監修者

岡本彩

岡本彩

京都グレインシステム株式会社 経営企画室
管理栄養士/ウェブ解析士

入社から3年間は営業部に所属し、育児休業を経て、経営企画室に異動・立ち上げをおこないました。管理栄養士の知識を活かし、当社の加工内容や商品、関連情報をご紹介します。

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