パフ商品の受託加工について
パフ商品のお問い合わせをいただく際、契約農家のお米を使用した米パフを受託加工してほしい、指定産地原料でパフ商品を製造してほしい、とのお声を多くいただきます。パフ加工の受託加工時には、必要な加工数量、製造工程の選択、賞味期限設定など、お客様とご相談する内容が多々ございます。今回はパフ商品の受託加工時のポイントについてご紹介していきます。
【パフ加工と製造ロットについて】
当社では白米、玄米、大麦、もち麦、キヌア、もちあわ、もちきびなどの雑穀を、熱風焙煎機を用いてパフ加工しています。アマランサスのような原料の形状が小さい穀物原料は熱風焙煎機のみで膨化しますが、ほとんどの穀物原料は熱風焙煎機のみでは充分に膨化しません。そのため、加工原料の種類、大きさや原料水分値を考慮し、必要に応じて前処理をおこなっています。
前処理方法としては、「①蒸し乾燥加工」「②浸漬+水切り加工」の2パターンあります。下表のとおり、前処理方法の違いにより加工ロットが異なります。
前処理方法 | 製造Lot | 特徴 |
---|---|---|
①蒸し乾燥加工 | 2t~ | 蒸す過程でデンプンの糖化・α化が進み、穀物の甘さが引き出されるため、より美味しいパフ商品が製造が可能。 しかし、当社所有の蒸し乾燥機は大型のみのため、加工ロットが大きい。 |
②浸漬+水切り加工 | 500㎏~ | 穀物のかさ比重にもよりますが、加工ロットは500㎏程度~受託加工が可能。 穀物に水分を吸水させたあと、熱風焙煎機で数分高温加熱するのみのため、デンプンの糖化やα化まで進まず、穀物の甘さは引き出されない。 |
パフ加工方法の詳細については、こちらのページをご参照ください。パフ加工ライン
【米パフの受託加工と賞味期限設定について】
レギュラー製造している米パフ商品は「発芽玄米パフ」ですが、当社では玄米茶の素(焙煎米/焙煎玄米)を多品種製造しています。そのため、北海道産米であれば、α化米の状態で保管しているものがございます。北海道産米を使用したパフ商品の受託加工をご希望の場合、半製品として保管しているα化米があるため、加工ロットは500㎏程度から可能です。
お客様の指定原料米で蒸し乾燥加工からおこなう場合、浸漬タンクの容量の兼ね合いで、加工ロットは5t程度からを推奨しています。
賞味期限設定について、加工・包装毎に更新しています。そのため、蒸し乾燥工程の加工ロットで製造し、蒸し乾燥米として一時保管が可能です。賞味期限内であれば、一時保管している蒸し乾燥米を分割して熱風焙煎(パフ化)することが可能です。原料特性により変動しますが、一般的な蒸し乾燥米の賞味期限は製造日より6か月程度、米パフの賞味期限も製造日より6か月程度で設定しています。
【中間原材料の賞味期限設定について】
すべての加工食品には、商品の特性に応じて、消費期限又は賞味期限のどちらかを表示しなければなりません。消費者庁からは「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が定められており、科学的・合理的根拠をもって設定すること、と記載されています。賞味期限設定試験の項目には、「理化学試験」「微生物試験」「官能評価」の3つがあります。(消費者庁WEBサイト参照)
当社ではこれらの項目を考慮し、知見と合わせて賞味期限を設定しています。また、加工・包装毎に賞味期限を検証、設定しています。
【選別工程について】
パフ商品について、当社のみで製造をおこなう場合、蒸し乾燥+熱風焙煎機で膨化加工のみおこなっています。当社のパフ商品は焙煎機を使用しているため、製品の仕上がり時に焙煎焦げが混じることがあります。お客様のご要望に応じて、「色彩選別」工程を追加することも可能です。
レギュラー製造しているパフ商品のうち、一部商品については、業務用パフ商品として商社様より販売されています。こちらの商品について、当社で蒸し乾燥+パフ加工後、選別業者にて目視選別後、5~6kg程度に個包装されています。加工ロットが合わない場合、目視選別が必須の場合、商社様販売商品をご案内しております。詳細情報については、直接お問い合わせください。
またパフ加工ラインについては、有機JAS認証該当ラインとなっています。まだ有機登録しているパフ商品はございませんが、ご希望に応じてご対応が可能です。
サンプルのご提供もおこなっておりますので、ご興味のある方は、是非お問い合わせフォームよりご連絡ください。