微粉砕コラム

CRUSHED COLUMN

焙煎米パウダーのご紹介

アレルギー食の対応やアレルゲンフリー食品の普及により、米粉を目にする機会が増えてきました。米粉パン向けの素材やライスミルク向けの素材など、米粉に関するお問い合わせも年々増加しています。当社ではα化米粉の製造も可能ですが、レギュラー製造している商品は焙煎米パウダーとなります。
米粉普及の背景やメリットと合わせて、当社の焙煎米パウダーについてご紹介します。

 

【米粉普及の背景と日本の食品自給率】

米粉イメージ

米粉は古くから和菓子に使用されており、お米の種類や製法や、用途の違いにより「上新粉」「餅粉」「白玉粉」「寒梅粉」「落雁粉」「道明寺粉」などさまざまな名称があります。近年注目されているのは、技術向上した製粉方法で微粉砕加工し、「小麦粉」の代替品として使用できる「米粉」です。従来の米粉では製パンや洋菓子の材料に向かなかった点が解消され、使用用途が広がっています。
令和2年度の日本の供給熱量ベースの総合食料自給率は約37%と発表され、令和12年度には約45%へ引き上げることが目標設定されています。当社も推進パートナーに登録していますが、民間企業・団体・行政等が一体となって、国産農林水産物の消費拡大に向けた「フード・アクション・ニッポン」という取り組みがおこなわれています。フード・アクション・ニッポンとは

フード・アクション・ニッポンの中には、米粉の消費促進の拡大を目的とした「米粉倶楽部」の取り組みもあります。米粉レシピも多数公開されており、製パンや製菓素材としての利用だけではなく、グラタンやカレーなどの料理へも活躍の場を広げています。

 

【米粉のメリット】

小麦粉と比較されることの多い米粉ですが、原料であるお米由来のメリットがいくつもあります。

①グルテンフリー
/アレルゲンフリー
小麦は卵、牛乳とともに三大アレルゲンの1つと言われています。お米にはアレルゲンが含まれないため、アレルギー向け食品として小麦粉の米粉を使用されたものも多く、離乳食などにも活用されています。数年前には小麦グルテンの摂取が体調不良を引き起こす原因であるグルテン不耐症/過敏症が話題となり、グルテンフリー素材が注目されるようになりました。
②アミノ酸スコア 小麦粉と比較すると、タンパク質含有量は小麦粉(薄力粉)より低いですが、アミノ酸スコアの数値は米粉の方が高いです。
【100g当たりのアミノ酸スコア】
・小麦粉(薄力粉):44
・米粉     :65
③食感 米粉を使用すると、調理法により食感が変わります。とろみをつけたり、もっちりとした食感、サクサクとした食感などバリエーションが広がります。
④油の吸水率 小麦粉と米粉のエネルギー量は同程度ですが、油の吸水率は米粉の方が低いです。そのため、揚げ物の衣に米粉を使用すると、小麦粉を使用した時よりも油の吸水率が低いため、さっぱりとしたヘルシーな揚げ物に仕上がりになります。

 

【焙煎米パウダーのご紹介】

市販されている米粉は、生米をそのまま粉砕したものや湿式粉砕したもの、α化米を粉砕したものが多いです。当社では、原料のお米を蒸し乾燥(α化)後、熱風焙煎機で焙煎し、気流粉砕機で微粉末化しています。一般的な米粉と異なる点は、加熱処理により「微生物コントロールが可能なこと」「一度蒸しているためお米の甘みを引き出していること」「香ばしい風味とサクサクとした食感が出せること」が大きな特徴です。使用原料として、白米、玄米ともにご用意が可能です。

■焙煎米パウダー

焙煎米パウダー

北海道産のお米を使用しています。一度お米を蒸しているため、お米の甘みがあること、焙煎による香ばしい風味が特徴です。加工ロットによっては、焙煎度合いの変更が可能なため、ご希望の焙煎度合いに仕上げてから微粉砕加工いたします。緑茶パウダーと混合して粉末玄米茶として使用されたり、製菓素材としてもご活用いただいています。

 

■焙煎発芽玄米パウダー

焙煎発芽玄米パウダー

北海道産の玄米を使用しています。白米よりも玄米のほうが栄養価が高く、ビタミンB1とマグネシウムは白米の約5倍、食物繊維は約6倍含まれています。当社の工場で発芽処理をおこなったあと、蒸し乾燥、焙煎、微粉砕加工しています。発芽させることで玄米よりも栄養価がさらに高まり、健康志向の高い方により向いている商品です。焙煎米パウダーと同様に、ご希望のロットにより焙煎度合いの調整が可能です。

 

【レシピ案:タルト生地】

当社焙煎米パウダーまたは焙煎発芽玄米パウダーを一部使用したレシピです(薄力粉を使用します)。グルテンを含まないパウダーを加えることでサクサク感が増します。また、ふくらみを抑えることができ、重しをのせる手間が省けるので、作業効率化が図れます。

タルト生地

■無塩バター    … 200g ★
■薄力粉      … 380g ★
■焙煎米パウダー   …  20g ★
■塩         …    4g ★
■砂糖        …  10g ★
■卵黄           …   1個分   ☆
■冷水           …  50ml     ☆

★(粉類とバター)をフードプロセッサーに入れ、バターが米粒大になるまで撹拌します。☆(冷水と卵黄)をよく混ぜたものを加え、ひとまとまりになるまでさらに撹拌します。ラップに包み、1時間以上生地を休ませます。厚さ3mmに伸ばし、型に敷きこみます。ピケ(空気穴をあける)し、180℃のオーブンで15~20分焼成し、タルト生地の出来上がりです。

 

当社の微粉砕加工の詳細については、微粉砕ページをご覧ください。
現在は、「奈良工場」「旭川工場」にて微粉砕ラインを所有しています。受託加工をご依頼の場合、原料特性や加工数量、微粉砕前の加工を考慮し、それぞれの工場へとご案内させていただきます。ご興味がある方は、是非お問い合わせフォームよりご相談ください。

コラムの監修者

岡本彩

岡本彩

京都グレインシステム株式会社 経営企画室
管理栄養士/ウェブ解析士

入社から3年間は営業部に所属し、育児休業を経て、経営企画室に異動・立ち上げをおこないました。管理栄養士の知識を活かし、当社の加工内容や商品、関連情報をご紹介します。

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