微粉砕コラム

CRUSHED COLUMN

微粉砕の受託加工先の選び方

当社へ微粉砕に関するご相談をいただく機会が増えてきました。その際、受託加工先の探し方で困られている方も多くおられます。ご相談内容について当社でのご対応が難しい場合、ご対応ができそうな会社様をご紹介したり、ポイントをお伝えさせていただいております。
今回は、微粉砕加工の受託加工先を探すポイントと当社でご対応可能な微粉砕加工についてご紹介していきます。

 

【微粉砕加工先を探すポイント】

微粉砕加工できるものについて、食品原料だけでなく金属他プラスチックなど幅広い分野で利用されています。微粉砕機にもさまざまな種類があり、それぞれ使用原料との相性や粉砕品の仕上がりに違いがあります。そのため、どのような設備を所有しているか、どの原料加工が得意なのか、加工会社にはそれぞれ特性があります。加工会社が微粉砕受託加工のお話を伺う際に重視するポイントをまとめましたので、ご確認ください。

①原料の種類

まずは、食品かそれ以外(プラスチック・金属・合成化学品ほか)で分けられます。弊社のように食品原料を扱う受託加工会社は同一設備や加工場内でのコンタミを避けるため、基本的には食品グレード原料のみを扱っている会社が多いです。各会社がどのような原料を扱っているかは、「加工実績」を参考いただくとイメージが持ちやすいです
また原料の種類と粉砕設備にも相性があり、硬い原料を細かくできるもの、短時間で大量に粉砕できるもの、微粉末にできるもの、など特徴はさまざまです。特に「アレルゲン原料であるか(アレルゲン管理が必要なため加工会社により受け入れの有無が異なる)」「油分が高い原料であるか(油分が影響し、細かく粉砕するのが難しい)」「糖度が高い原料であるか(糖度が影響し、細かく粉砕するのが難しい)」など特徴のある原料は対応ができる会社が限られます。

②希望の粒度/価格帯

微粉砕機には様々な種類がありますが、どれほど細かくできるか、機械によって異なります。基本的には粒度が細かくなるほど、加工費は高くなる傾向です。そのため、どれほど細かくされたいのか、最終製品の単価を考慮しどれほど加工費をかけられるのか、バランスをとる必要があります。加工会社はご希望の粒度と価格帯などを考慮して適切な設備を選定します。

③使用目的/製造認証の有無

お客様のご用途によっては、委託先が食品製造許可(食品衛生法に基づく)や適切な認証を取得している必要があります。当社へご確認依頼される認証としては、下記のものがあります。

FSSC22000認証取得 国際食品安全イニシアチブ(GFSI)により、食品安全の認証スキームのひとつとして承認された規格のことです。メーカー様によっては、FSSC22000認証取得した工場での加工を重視されています。
有機JAS認証 有機JASマークが貼付されていない農産物や加工食品の名称に「有機」や「オーガニック」といった言葉を使用することは禁止されています。加工食品を製造・販売したい場合、有機JAS認証事業者で加工することが必須です。
食品添加物製造許可 食品衛生法第11条第1項の規定により、規格が定められた添加物(指定添加物)を製造または加工する場合、「食品添加物製造許可」が必須です。

 

④その他加工

「微粉砕加工」のみを委託されたい場合、該当設備をもった会社へ依頼すれば問題ないですが、その他の加工と合わせてご依頼されるケースも多いです。運送コストを下げるため、できるだけ委託先を1か所に集めたい(複数社へと分散したくない)お客様も多いため、微粉砕加工に特化した会社なのか、複数設備を所有している会社なのか、確認が必要です。よくある加工の依頼としては下記のようなものがあります。

殺菌をして欲しい 粉末加工品をそのまま使用したい場合、サプリメントなどの健康食品に使用されたい場合、殺菌処理も合わせてご依頼されるケースが多いです。基本的に粉末品の殺菌は難しく、粉末前に殺菌処理をおこないます。殺菌機で対応される会社もありますが、弊社では主に焙煎機を用いて殺菌処理をおこないます。
乾燥して欲しい 野菜や搾汁残渣など、原料の乾燥~粉砕をご希望されることも増えてきました。微生物コントロールが必要な場合は、洗浄工程を追加するか、乾燥温度を高めに設定するなど対策が必要です。残念ながら当社には該当設備がないため、外部へ委託しています。
ブレンドして欲しい 調味料やミックス粉など、粉末加工後にブレンドして欲しいという依頼も多いです。残念ながら当社では該当設備(ブレンダー/ミキサー他)がないため、他社様をご紹介しています。
個包装して欲しい 弊社でご対応できるのはバルク包装のみですが、スティック包装や個包装など、最終商品化までご希望されるケースもあります。包装形態によって必要な包装設備が異なるため、各会社へご相談ください。

 

【受託加工先の探し方】

上記ポイントを踏まえ、お客様のご要望に合った加工先を探す方法をご紹介します。

①関連ワードで検索する

一般的な方法として、Googleやヤフーなどの検索エンジンを活用します。「微粉砕」「受託加工(またはOEM)」だけでなく、加工したい原料名や種類も合わせてキーワードに含めた方がよりニーズに近い会社がヒットするかと思われます。検索例としては「微粉砕 受託加工 食品」「微粉砕 受託加工 プラスチック」「微粉砕 受託加工 大豆」など。

②データベースサイトの活用

BtoB企業向けに受託加工会社をまとめたデータベースサイトが所在しています。加工内容や素材別に会社がまとまって掲載されているため、探しやすくなっています。データベースサイト例は下記のとおりです。

■食品OEM総合サイトhttps://shokuhin-oem.jp/
■食品OEMコムhttps://www.food-oem.com/
■イプロス(OEMサービス)https://www.ipros.jp/cg1/OEM%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/

 

③展示会(国際粉体工業展など)

粉末技術に関する展示会として「国際粉体工業展」があります。外部リンク
東京都大阪で年2回開催されているためこの展示会に参加するか、展示会に出展している企業へ問合せてみてもよいかもしれません。粉体メーカー様にもよりますが、機械の所有者(販売先/受託加工な会社)を紹介してもらえるケースもございます。

当社では食品原料を中心に加工をおこない、「気流粉砕機」と「ピンミル式粉砕機」を所有しています。奈良工場ではFSSC22000の食品安全管理システムのもと、穀物や葉物などの微粉砕加工を行っています。 有機JAS認証ラインかつ食品添加物の認証許可を得ているため、これらの受託加工も対応可能です。詳細はこちらをご覧ください。詳細はこちら
試作のご依頼や受託加工のご相談については、お問い合わせフォームより承っています。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせ

コラムの監修者

岡本彩

岡本彩

京都グレインシステム株式会社 経営企画室
管理栄養士/ウェブ解析士

入社から3年間は営業部に所属し、育児休業を経て、経営企画室に異動・立ち上げをおこないました。管理栄養士の知識を活かし、当社の加工内容や商品、関連情報をご紹介します。

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