有機JAS認証ラインの受託加工について
オーガニック商品や有機商品について根強い人気があり、有機JASマークが付いた商品を見かけることが多くなりました。当社でも有機JAS品の加工が可能かお問合せをいただくことがあります。そもそも有機JAS認証とはなにか、当社ではどのような受託加工が可能なのか、新たに商品を製造する場合申請が必要なのか、このページでご紹介していきます。
【有機JAS制度とは】
JAS法に基づき、「有機JAS」に適合した生産が行われていることを第三者機関が検査し、認証された事業者に「有機JASマーク」の使用を認める制度のことです。制度導入前は「有機」や「オーガニック」と謳ったラベルが乱雑し、表記の基準が不明確であること、消費者への誤解を与える恐れがあることが問題となり、JAS法が改正され、有機農産物の表示に法的規制がかかる「有機認証制度」が始まりました。有機JAS認定されたもののみが有機JASマークを使用し「有機」「オーガニック」と表示ができますが、認定を受けていない者が有機JASマークや紛らわしい名称を使用すると処罰の対象となります。
■ 認証を受ける事業者について
有機 JAS 認証制度の中で認証の対象となる事業者は「生産行程管理者」、「小分け業者」、「輸入業者」の 3 つがあります。
生産工程管理者 | 生産行程管理者は自ら格付した有機農産物または有機加工食品に有機JASマークを付して出荷することができる。 |
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小分け業者 | 有機JASマークの付された農産物、加工食品の包装を開封し、別の包装に小分けや大袋に詰める等の作業をし有機JASマークを付け直して、出荷することができる。 |
輸入業者 | 同等性を利用して輸入された指定農林物資と加工されてきた状態の包装に格付の表示し、出荷することができる。 |
※詳細については、農林水産省WEBサイト「有機食品の検査認証制度」をご参照ください。
【当社の有機JAS認証該当ラインについて】
当社の場合は「有機加工食品の生産行程管理者」に該当します。有機JAS登録認証機関である「兵庫県有機農業研究会HOAS」へ申請し、2021年12月現在では「奈良工場」「石川工場」の一部のラインについて認定されています。
■有機JAS認証該当ラインと製造品目
加工拠点 | 加工ライン | 製造品目 |
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奈良工場 | 蒸し乾燥ライン 焙煎ライン(一部を除く) 包装ライン 大豆専用ライン パフ加工ライン 微粉砕ライン 選別ライン |
焙煎大麦 発芽玄米 焙煎はと麦 焙煎玄米 きな粉 米パフ ほか |
石川工場 | 焙煎ライン 包装ライン |
焙煎大麦 |
【新たな商品を製造または受託加工する場合】
有機加工食品を製造する場合、商品毎に届け出が必要となります。当社へ受託加工をご依頼された場合、新たな製造商品として当社が登録している認定機関へ登録申請をおこないます。
すでに登録している加工ラインを使用する場合、製品登録のみのため、登録申請期間は2週間~1か月程度かかります。当社の登録先である認証機関では、月に1回登録判定会議がおこなわれており、申請時期により期間が異なります。申請費用は原則無料ですが、申請期間の短縮をご希望された場合のみ、別途申請費用がかかります。
新たに加工ライン、製品登録のどちらも申請する場合、申請期間は3カ月以上かかります。製造加工ラインを追加する場合、必要提出書類が多いため作成に時間を要し、現地監査も必要なため申請期間が長くなります。
■受託加工の流れ
1) お問合せ | 受託加工内容についてご相談ください。 |
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2) お打合せ | 原材料情報・ご用途・加工数量など、当社からも数点お伺いし、適切な加工ラインをご案内いたします。 |
3) 試作案内 | ラボ機での簡易試作又は実機での試作を行います。 試作段階では商品申請をおこなっていないため、「有機JASマーク」のご使用はできません。 |
4) 評価・お見積り | お客様からのご評価を確認し、規格化または再試作をおこないます。 加工条件が決まり次第、お見積りをご提示いたします。 |
5) 登録申請 | 当社の登録機関へ登録申請をおこないます。 ・商品登録のみ:申請期間は、2週間~1か月 ・加工ラインの追加申請:申請期間は3カ月以上 |
6) 生産開始 | 登録完了後、有機加工食品として製造開始が可能となります。 |
受託加工をご依頼の場合、原料特性や加工数量を考慮し、それぞれの工場へとご案内させていただきます。ご興味がある方は、是非お問い合わせフォームよりご相談ください。