微粉砕コラム

CRUSHED COLUMN

コーンパウダーの紹介と加工例/アルファ化コーンパウダー・焙煎コーンパウダー

小麦粉価格の高騰やグルテンフリー志向の高まりにより、コーンパウダーに関するお問い合わせや受託加工のご相談が増えてきました。当社では飲料用途向けに焙煎トウモロコシを製造していますが、蒸し乾燥や焙煎、微粉砕加工など食品用途向けに加工することも可能です。今回はコーンパウダーの紹介や、KGSでの加工内容についてご紹介します。

【コーンパウダーとは】

コーンパウダーは、トウモロコシから作られた粉末状の食品原料です。コーンパウダーは世界中で広く使用され、さまざまな料理や製品の材料として活用されています。製法や粒度の細かさにより異なる製品が生まれ、これらは「コーングリッツ」「コーンミール」「コーンフラワー」と呼ばれています。

原材料と製法

トウモロコシを原料としており、一般的に食べられているスイートコーンやポップコーンの原料となる爆裂種ではなく、デントコーンやフリントコーンという品種のとうもろこしが原料として使われています。
コーングリッツは皮と胚芽を除いた乾燥トウモロコシを粉にしたものと定義されており、コーンフラワーは小麦粉程度に挽いたものです。コーンミールはコーングリッツとコーンフラワーの間の細かさです。

特徴

コーンパウダーは小麦粉と異なりグルテンを含まないため、セリアック病の人や小麦アレルギーを持つ方に適しています。そのため、グルテンフリーの食品の製造に広く使用されています。
またトウモロコシを主原料としているため特有の風味を持っており、世界中の様々な料理に利用されています。代表的な料理としてトルティーヤ(メキシコ料理)、ポレンタ(イタリア料理)、パパッド(南アジア料理)などがあります。

主な用途

コーンパウダーは、多岐にわたる料理や製品に使用されます。パンやケーキ、マフィン、クッキー、パイ、クレープなどの製菓・製パン原料として使用され、目的別に「コーングリッツ」「コーンミール」「コーンフラワー」が使い分けられています。
またソースやスープ、シチューなどのとろみをつけるのにも使用されています。揚げ物用のミックス粉にもコーンパウダーが調合されており、食品をコーティングするために利用されています。コーンフラワーを衣に使うとサクサクとした食感になると言われています。

【KGSで出来るコーンパウダーの加工例】

一般的なコーングリッツやコーンミール、コーンフラワーなど乾燥トウモロコシを使用するケースが多いですが、当社の場合は焙煎トウモロコシを粗粉砕やパウダー化したり、蒸し乾燥後にパウダー加工することが可能です。

■蒸し乾燥加工の場合

甘味の強いスイートコーンなどはデンプン質が少なく糖質が多いため甘味を感じやすいですが、デンプン質が多い品種はそのままでは甘味を感じにくいです。デンプンは加水・加熱によりデンプンの糊化(α化)が進んだり、甘みの感じられるグルコースへと分解されます
当社の場合、十分な水をトウモロコシに吸水させた後、横型蒸し機でじっくりとトウモロコシを蒸します。十分に加熱することでデンプンの糖化を促し、トウモロコシの甘みを引き出しすことが可能です。その後乾燥させ、お好みの細かさへと粉砕いたします。

アルファ化コーングリッツパウダー

加工例:α化コーングリッツパウダー【試作品】
コーングリッツを吸水させたあと蒸し乾燥させ、パウダー加工した試作品です。十分に加熱をしているため微生物コントロールが可能です。試作品では細かく粉砕しているため小麦粉と同等の粒度です。粉砕機を変更すればもう少し粗い粉末へと調整することは可能です。

■焙煎加工の場合

当社では「熱風焙煎、熱風ドラム式焙煎、直火ドラム式焙煎」を各複数台所有しており、原材料や用途に合わせ、使用する焙煎機を選択しています。ご依頼内容により焙煎温度や加熱時間を調整しますが、焙煎温度は150~300℃まで上がります。高温で処理するため微生物が死滅し、殺菌効果目的でも使用されています。
加熱処理方法の中で「焙煎」が選ばれる主な理由は、「香ばしさ」「風味改善」が挙げられます。高温で焙煎することでこんがりとした焼き色がつき、香ばしさが生み出されます。なお、粉末品の焙煎は難しいため、一般的にはトウモロコシを焙煎してからパウダー加工します。

焙煎コーンパウダー

加工例:焙煎コーンパウダー【試作品】
焙煎コーンをパウダー加工しています。焼きトウモロコシのような香ばしさが特徴で、風味付けに使用することが可能です。トウモロコシの品種はデントコーンでもスイートコーンでも加工は可能です。焙煎度合いの調整も可能で、お好みや目的に合わせて焙煎機や温度・時間を調節します。

 

基本的には留型品で受注生産しているため、上記試作品の在庫が常にあるわけではない点をご了承願います。持ち込み原料での受託加工や当社手配原料での加工、どちらも可能です。ご興味のある方は下記フォームよりご相談ください。(申し訳ございませんが、少量加工は難しく、ある程度まとまった数量での加工依頼をお願いしております。)

                    加工について相談してみる                    

コラムの監修者

岡本彩

岡本彩

京都グレインシステム株式会社 経営企画室
管理栄養士/ウェブ解析士

入社から3年間は営業部に所属し、育児休業を経て、経営企画室に異動・立ち上げをおこないました。管理栄養士の知識を活かし、当社の加工内容や商品、関連情報をご紹介します。

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