食品設計

FOOD DESIGN

食品設計の取り組み

行動指針のひとつである「安心安全な食品を提供しよう」を基に、独自の食品安全方針・衛生管理基準を定め、より安心・安全な商品のご提供を目指します。また「農産物の新しい可能性を探求しよう」を基に、食の可能性を追及するため、さまざまな商品の開発に取り組みます。

SDGsの達成目標

重要課題と取組項目

重要課題 取組内容
①安心安全な食品の提供 FSSC22000の認証維持
クレーム数の削減
②食の可能性を追求 さまざまな商品の開発

①安心・安全な商品の提供 に関する活動

2018年6月に食品衛生法が改正され、原則全ての事業者に“HACCPに沿った衛生管理”が制度化されました。京都グレインシステム(株)奈良工場では、2012年1月11日に国際的な食品安全システム認証規格「FSSC22000」を取得しました。当社独自の食品安全方針・衛生管理基準を定め、より安心・安全な商品のご提供を目指し、社員一丸となって日々取り組みます。

FSSC22000とは

FSSC22000とは、国際的な食品メーカーや食品流通会社の連合組織であるGFSI(Global Food Safety Initiative)が採用している食品安全基準のことで、食品安全マネジメントシステム規格「ISO22000」で補うことのできない範囲に及んでいます。
例えば、ISO22000では食品安全の基本となる『前提条件プログラム』の項目を明確にしていますが、その具体的な内容に関しては、各会社に委ねる形となっています。
そのため、会社によってルールに対する取り組みに差異があり、衛生管理の行き届いた会社と行き届いてない会社が存在するという問題点があります。このような問題点をFSSC22000では補っています。

FSSC22000の主な特徴

  1. 相互コミュニケーション

    食品安全は「フードチェーンに関与するすべての関係者の共同責任」と定義し、食品業界に関わる人たちが確実な情報を共有することが求められています。

  2. マネジメントシステム

    食品製造現場だけでなく、経営者を含む組織全体での食品安全対策を行うために、ルールや管理規定を作るだけでなく「いかに従業員がそれを運用するか」という仕組みづくりが重要となっています。

  3. HACCP原則

    本当に必要な場所で必要な管理を行うため、すべての工程に対し同じハザード管理を行うのではなく、特に重点的に管理を行うものと、日常的に管理するものを分けて管理を行います。重要な管理が必要な場合は、HACCP12手順に従った管理基準を定めます。さらにHACCPの『原点』に戻って、『どうすればもっと食品安全を万全にし、消費者のニーズを満たせるか』を考慮した、よりきめ細かい管理を行います。

  4. 前提条件プログラム(PRPs)

    食品衛生の「前提」となるルールについて、ISO/TS22002-1に基づいて行います。

  5. 食品安全対策

    フードディフェンスや原材料・アレルゲン管理など食品安全に関することが具体的に定められており、より細やかな運用を行います。

京都グレインシステム株式会社 食品安全方針

  1. 安心・安全な製品をご提供すべく、食品安全マネジメントシステムの有効性を継続的に改善致します。

  2. あらゆる関連法令・規制、ならびに食品安全顧客要求事項を遵守し、食品安全マネジメントシステム規格要求事項への適合を維持致します。

  3. 顧客のニーズ・期待にお応えすべく、外部・内部を含めたフードチェーン全体の有効なコミュニケーションを確立・維持することで、ユーザー様各位の即戦力としてお使い頂ける“質の良い”製品をご提供致します。

  4. 顧客と共に、農産物の限りない可能性を創造していきます。

  5. 食品安全方針に基づき、食品安全目標を策定し、全社一丸となって目標達成に努めます。

京都グレインシステム株式会社 食品安全方針  PDFダウンロード

衛生管理について

当社では、独自の12項目からなる厳しい衛生管理基準を定め、これに準拠するかたちで衛生管理を行っております。原材料や製品はもちろんのこと、廃棄物や建物、作業場のレイアウトなど仕入れから生産、出荷及びユーティリティに至るすべてのプログラムにおいて衛生管理を徹底しています。

異物混入防止対策

1

入室管理

工場への入り口には更衣室を設置しており、場外用作業着から場内用作業着への着替え、手洗い・消毒を徹底しています。また「氏名、入退出時間、持ち込み物、体調報告等」の入退室記録を取っています。工場入室の際には、粘着ローラーや設置されているエアシャワーでちりやほこり、髪の毛などの細かい異物の侵入を防いでいます。上記内容は、当社従業員のみではなく、お客様を含めた全入場者を対象に行っております。

2

持ち込み品の管理

工場内への持込リスト(持込禁止品・可能品リスト)を作成しており、入退室時に物品と個数について申請を行います。また工場内で使用するものは、製品へのコンタミがしにくいものを採用しています。(例:キャップが無いノック式のマーカー)工場内で使用する文房具等は、各ラインごとに収納場所を表記し、個数管理を行っています。

3

ハザード分析についての取り組み

各ラインにおいてハザード分析を行い、各ハザードに対し「許容水準」を設定し、運用を行っています。左記内容は文書化することで見える化しています。また食品安全チームによる検証活動会議にて、運用状況の確認・見直しを行っています。

4

監視カメラ・警報システムの導入

工場敷地内への出入り口にチェーンゲート、工場内部には監視カメラを設置し、警報システムも導入しています。また周囲の作業者が行動を注意しやすいようにヘルメットの色を各課・来場者用に識別しています。

有害生物(鼠族・昆虫等)の防除・アレルゲン対策

1

防虫・防鼠対策

専門の防虫業者と契約し、定期的なモニタリング、巡回、勉強会等の指導のもと対策を行っています。
(例:各種トラップの設置、各所シートシャッターの設置、コーキングによる進入経路の封鎖、定期的な薬剤散布等)

2

アレルゲン管理

工場内のアレルゲン管理について明確なルールを定めて運用しております。例えば、大豆専用ラインでは、専用の出入口・更衣室を設置しています。またアレルゲン素材の製造後は、品質管理課が作業担当者とダブルチェック(目視・専用キットを使用してふき取り検査)を行い、アレルゲン残渣がないか確認を行っています。

トレーサビリティシステム

1

原料受入時の確認

当社の「原料荷受け指示書/調査票」に沿って、荷受け担当者が荷受け原料のチェックを行います。
また荷受け時に原料サンプルを採取し、品質管理課にて検査を行っています。

2

記録の管理

荷受け~製造~出荷における各工程について全て記録をとり、社内トレースが取れるように管理を行っています。
各工程の記録は、2名以上かつ複数の部署にてダブルチェックを行っています。

3

原材料・包材等の情報の取得

仕入れ原料や包材、薬品等について、産地・アレルゲン等の原材料情報や安全データシート(SDS)の取得に努めています。
農産物によって、クロップ毎に残留農薬検査や放射能検査等を行い、安心・安全な原料の供給に努めています。

品質管理

製品検査

各商品の規格に基づき、製造現場・品質管理課にて各ロット毎に検査を行っています。(製品規格により検査頻度は異なります)製品検査合格後に出荷対応を行っております。

分析機器・検査項目リスト

機器名 分析・検査項目
1.測色色差計 色調(L/a/b) [表面色/粉砕色/抽出色]
2.赤外線水分計 水分量
3.近赤外線分析計 米・麦のタンパク質・水分量他
4.デジタル濃度計 抽出液のBrix
5.水分活性測定器 水分活性
6.電磁式ふるい振とう機 粉砕品の粒度分布
7.湿式粒度分布測定器 粉末の粒度分布
8.微生物分析設備一式 一般生菌
耐熱性菌
黄色ブドウ球菌
大腸菌・大腸菌群
真菌
乳酸菌

②食の可能性を追求に関する活動

当社では、自社開発品・他社依頼品を合わせ、約200件/年の試作開発を実施しています。試作を重ねるにつれて技術力が向上し、過去取り扱うことができなかった素材も加工ができるようになりました。また加工拠点(北海道旭川市/滋賀県長浜市)を増設したことにより、地元企業や農家の協力のもと、地産農産物の加工や商品開発も積極的におこなっています。

試作開発に関する詳細内容については、受託加工 をご参照ください。