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KGSコラム

記事公開日

デンプンのα化と蒸し乾燥工程のご紹介

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当社で製造した雑穀パフや焙煎米、焙煎米パウダーは他社製造品よりも甘みがあって美味しいとご評価いただいております。甘みの秘密は、蒸し乾燥工程をおこなっていることです。今回は、蒸し乾燥工程、α化のメリットについてご紹介していきます。

はじめに:デンプンとは

ヒトの体に必要な栄養素のうち、カラダを動かすエネルギー源となる「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」は、三大栄養素と呼ばれています。当社で取扱うことが多い穀物は「炭水化物」が多く含まれています。

■炭水化物とは
炭水化物とは、ブドウ糖や果糖などの単糖から構成されているものの総称です。大きく分けると、体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」、消化吸収されずエネルギー源にならない「食物繊維」に分けられます。
炭水化物を構成している単糖の数が1個のものを単糖類、2個のものを二糖類、2~10数個のものを少糖類(オリゴ糖)、それ以上のものは多糖類と呼ばれます。単糖類にはグルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)などがあり、二糖類にはスクロース(ショ糖)やマルトース(麦芽糖)などがあります。多糖類には、グルコースが多数結合したデンプンやグリコーゲンなどがあります。果物に多く含まれるペクチンやコンニャクに含まれるグルコマンナン、寒天に含まれるアガロースなどの食物繊維も多糖類に分類されています。

デンプンの分解とα化

穀物の炭水化物のほとんどは多糖類「デンプン」の形で含まれています。デンプンの形ではほとんど甘みを感じず、単糖類「グルコース」まで分解されると甘みを感じることができます。デンプンは分解酵素のはたらきにより、いくつかの段階を経て、グルコースへと分解されます。

例えばお米の場合、米粒内に各種デンプン分解酵素をもっています。生米は硬く消化しにくいため(βデンプン状態)、水を加え加熱することによって、粘性のある糊となります(デンプンの糊化)。デンプンの結晶構造に水分子が入り込むことで、ミセル構造が緩んだ状態になる消化されやすくなります(αデンプン状態)。下図参照。

糊化したデンプン(αデンプン)をそのまま放置すると、ばらけた分子が再び規則正しく配列されます(β’デンプン状態=デンプンの老化)。再加熱すれば再びα化デンプン状態に戻りますが、急速乾燥させることでもα化デンプン状態を保つことができ、アルファ化米と呼ばれています

KGSの蒸し乾燥加工と加工メリット

当社では蒸し乾燥ラインを所有しており、さまざまな穀物を加工しています。当社では「横型タイプ」の蒸し機を2台所有しており、アレルゲンの有無や原料によって使い分けをおこなっています。製造工程におけるデンプンの変化を合わせてご紹介します。

■蒸し加工ラインの工程

①原料 βデンプン状態
②浸漬/吸水 α化に必要な水分を原料に吸水させる
③水切り  
④蒸し加工 温度上昇により酵素が活性し、デンプンの分解・糖化が進む。α化デンプン状態
⑤乾燥 急速に水分を飛ばし、αデンプン状態を保つ
⑥冷却  

②浸漬の様子④蒸す様子⑥冷却の様子

排水処理に手間がかかるため、蒸し乾燥ラインの設備を所有している企業も少なくなってきました。また複数原料を使用する場合、切替清掃の手間がかかるため、受託加工をおこなっている企業はさらに少なくなります。当社は数少なく、蒸し乾燥工程の受託加工をおこなっています。大型設備を所有しているため、製造ロットは比較的大きくなりますが、ご興味のある方は是非お問い合わせフォームよりご相談ください。

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