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KGSコラム

記事公開日

気流粉砕機で粉砕できるもの・できないもの

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当社では気流粉砕機を所有し、受託加工を中心に微粉砕加工をおこなっています。お客様からの支給原料で加工をおこなうことが多いため、「この原料で加工ができますか」とお問い合わせいただくことがございます。当社で所有している気流粉砕機と原料の相性もあるため、知見がないものについてはその都度試作し、検証をおこなっています。過去の事例を踏まえて、どのような原料と相性がよいのか、どのような原料は粉砕できなかったのか、についてご紹介していきます。

KGS所有の気流粉砕機について

気流粉砕とは、空気を高速な気流渦にすることで原料同士が衝突、引きちぎられて粉砕する方法です。粉砕機内部(粉砕室)に高速回転ローターとブレードがあり、旋回流を発生させ、旋回気流により粒子衝突が起こり、原料を粉砕加工させています。
原料を投入すると粉砕室に導入され、発生した旋回流により原料が引きちぎられたり、原料同士が衝突し、原料が細かくなっていきます。細かくなった原料は分級室へと移動し、粒の小さな原料は製品として回収され、粒の大きな原料は再び粉砕室へ戻り再粉砕されます。
粉砕室に留まる時間は数秒程度のため、機器内の温度が上昇が抑制されています。原料成分に大きな損傷を与えることなく加工ができます。また機械の分解洗浄が可能なため、多品種の製造が可能です(原料の切替時には分解洗浄をおこなっています)。

メリット

  • 粉砕原料へ熱がかかりにくい(弱熱性原料に最適)
  • 原料の粒が揃いやすい(粒度分布がシャープ)
  • 機械の摩耗が少ない(コンタミ抑制)
  • 分解洗浄が可能(衛生的)

デメリット

  • 香気成分が飛びやすい
  • 繊維が硬すぎるものは粉砕できない
  • 細かいものをさらに細かくすることは難しい
  • 油分や糖度が高いものは粉砕できない

微粉砕できたもの (加工実績)

過去の試作や知見により、微粉砕加工ができた原料をご紹介します。

①蒸し乾燥米/焙煎米など

当社で蒸し乾燥加工した蒸し乾燥米や焙煎加工した焙煎米など、米製品の微粉砕加工は可能です。生米の加工自体は可能ですが、微生物面を考慮するとあまり加工のおすすめはしておりません。また「焙煎米>蒸し乾燥米>生米」の順で微粉砕加工がしやすく、当社では焙煎米の微粉砕加工が中心です。

②大麦類

焙煎大麦や焙煎麦芽、もち麦パフなどの微粉砕加工実績があります。微粉砕面を考慮し、基本的には熱処理加工済みの原料を用いて微粉砕加工しています。平均粒度としては30μm程度で、粉末飲料に使用されたり、製粉原料として使用されています。

③豆・いも類

小豆や手亡豆などの豆類、さつまいもや紅芋などのいも類の乾燥品、焙煎品の微粉砕加工実績があります。生原料では水分値が高すぎて微粉末化できないため、乾燥や焙煎加工をおこない原料水分値を10%未満にする必要があります。

④乾燥野菜

乾燥にんじんやほうれん草、焙煎キャベツや焙煎しいたけ、焙煎コーンなど野菜類の微粉末加工も可能です。SDGsの考え方が浸透し、野菜の未利用品やカット野菜工場での廃棄部分などの再利用化が進んでおり、当社へも加工のご相談をいただくことが多いです。

⑤茶葉

緑茶をはじめ、ほうじ茶、烏龍茶、プーアル茶、紅茶、マテ茶などの微粉砕加工をおこなった実績があります。茶葉の種類によって原料の硬さが異なるため、ご希望の粒度を出すことが可能か、茶葉の種類により変わります。ご希望に応じて試作検証いたします。

上記以外の原料でも加工はおこなっておりますので、ご希望の素材がございましたらお問い合わせください。

微粉砕できなかったもの

過去の試作により、微粉砕加工が難しかった原料をご紹介します。

①ドライフルーツ/にんにく(糖分が高いもの)

過去にパパイヤやレーズン、マンゴーなどドライフルーツの微粉砕試作をおこないました。少量であれば微粉末化できましたが、しばらくするとパウダー品がダマになってしまい、実製造化は難しいと判断しました。乾燥にんにくを加工した際は、機械内部でペースとかしてしまい、製造自体が困難でした。

②ペパーミント

ペパーミントの微粉砕加工自体は可能でしたが、微粉砕時に香りが飛んでしまい、パウダー品からはペパーミントの風味が消えてしまいました。回収方法として空気分級式を採用しているため、芳香成分を保ちたい原料の加工には向いておりませんでした。

③調味加工された原料

塩や調味料などで味付けされた原料は、微粉砕機内部への付着により機械が劣化する恐れがあります。そのため、現状は原料の受け入れをお断りしております。

④綿花

繊維が硬すぎる場合、残念ながら気流粉砕機で微粉末化することはできません。気流粉砕機では粉砕室内で発生した旋回流で原料を引きちぎるか、原料同士を衝突させて粉砕しています。衝撃粉砕などと比較すると粉砕力は弱いため、他微粉砕機での加工をおすすめしています。

試作を実施しなければ加工が可能か判断が難しいケースもあるため、ご希望に応じて試作・検証をおこなっています。試作のご依頼や受託加工のご相談については、試作依頼フォームより承っています。お気軽にお問い合わせください。

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