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KGSコラム

記事公開日

粉末商品の規格について

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当社へ微粉砕加工のご相談をいただくことが増え、企画会社様や農家様など幅広い分野の方からお問い合わせいただくことが増えました。その際、粒度の細かさだけでなく、微生物規格や参考にする法律、殺菌工程などについてもご相談いただくケースがございます。今回は微粉砕加工時によくある微粉砕規格に関するご質問についてまとめました。

【粉末品の微粉砕規格について】

食品衛生法のもと、食品等事業者は食品の安全性の確保に努めなければならず、HACCPに沿った衛生管理が義務化されています。微生物の規格基準や製造方法、保存方法などが定められている食品もありますが、ほとんどの食品やその中間原料については、法令における明確な微生物基準が設定されていません。
そのため、多くの食品関連企業は「粉末清涼飲料」の基準に着目し、「一般生菌:3,000/g以下、大腸菌群:陰性」を規格上限値としています。小麦粉のように、後工程で必ず加熱するものは「一般生菌:10,000/g以下」などと設定され、原材料の特性や使用目的に合わせ、柔軟に対応しています。

【粉末品の微生物規格(参考)】

法令における明確な微生物基準が設定されていない。(一部食品を除く)
後工程で加熱しないものは、「一般生菌:3,000/g以下、大腸菌群:陰性」を規格上限値とするケースが多い。
後工程で加熱するものは、「一般生菌:10,000/g以下」と設定されるケースが多い。

【粉末品の殺菌について】

粉末品をプラスチックや紙に混ぜ込むなど食品用途以外の場合は気にする必要はありませんが、食品向けに粉末品を使用されたい場合は微生物面への配慮が必要です。当社へ微粉砕加工のご相談をいただく際は見本原料をお預かりし、事前に原料の微生物検査をおこないます。基本的に、粉末品を殺菌することは非常に難しく、当社でも同業他社様でも微粉末加工前に加熱処理をおこない減菌・殺菌しています。

■殺菌方法について

他社様では過熱蒸気殺菌機を用いられることが多いですが、当社では主に焙煎機を用いて殺菌処理をおこなっています。殺菌機としての主流は過熱蒸気殺菌機ですが、ランニングコストが高く加工費が高くなるため、比較的安価で仕上げることができる焙煎機を使用しています。焙煎機を用いたケースでも粉末品の焙煎は難しいため、粉砕前原料を焙煎して減菌させ、粉末加工しています。

■原料の微生物について

受託加工時に粉砕前原料の微生物検査をおこなった際、意外と汚染度が高くてお客様自身が驚かれるケースがございます。食品内で「細菌」「カビ」「酵母」などの微生物が増殖するには、主に5つの条件が必要です。①酸素②温度③栄養分④pH⑤水分が関与し、各微生物の種類により最適条件は異なります。特に原料水分値が高いもの、自然乾燥・低温乾燥されたものは微生物値が高いケースが多いです。

①野菜類/乾燥野菜

微生物は空中にも浮遊しているため、屋外で育った野菜には微生物や土壌菌が付着していることがあり、洗浄工程が有効です。また乾燥工程において、野菜の風味を保つために自然乾燥や低温乾燥されるケースが多いですが、一般生菌が増殖しやすい温度は40℃前後のため、低温乾燥中ではあまり殺菌されず増殖していることが多いです。また原料の管理状態で増殖してしまうこともあり、意外と一般生菌数が高かったり、大腸菌群が陽性のケースも多いです。

②穀物

小麦粉の高騰による米粉ブームや、第3のミルクブームによるライスミルクやオーツミルク用途に向け、お米や雑穀など粉砕加工依頼が増えてきました。生のお米や雑穀をそのまま粉砕されるイメージが強いですが、意外と微生物値が大きいため、ご用途によっては加熱処理をしてから粉砕することをおすすめしています。当社では蒸し乾燥ラインを所有しているため、お米や雑穀を蒸し乾燥するとデンプン質が甘みに変わり、原料由来の甘さが引き出されます。微生物コントロールもしやすくなるため、生原料ではなく蒸し乾燥品や焙煎品の微粉砕加工を推奨しています

③搾汁後の残渣

SDGsの考え方の浸透によりフードロスを減らしたい、食品残渣を再利用したい、と搾汁した後のジュースの残渣やコーヒーの搾りかすなどを粉末化できないかとご相談いただくことが増えました。乾燥した状態でなければ粉末化すること自体が難しく、水分を多く含んだ状態で原料発生地から弊社工場へ移送すると移送中に発酵が進んでしまい、食品として再利用することが難しくなります。そのため、できるだけ原料の発生場所で脱水・乾燥させることが微生物面、コスト面でも好ましいです。

試作のご依頼や受託加工のご相談については、お問い合わせフォームより承っています。お気軽にお問い合わせください。

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