微粉砕加工の粒度について
微粉砕の受託加工のご相談をいただく際、「〇〇に使用できるようにパウダー化して欲しい」「のど越しがよい粒度へ粉砕して欲しい」「〇〇メッシュぐらいにして欲しい」「粒度を〇〇μm~〇〇μmの範囲に加工して欲しい」などご要望はさまざまです。今回は微粉砕品の粒度に関する情報をご紹介していきます。
【メッシュとミクロンの違い】
粒度を表す表現として、ミクロンとメッシュがよく使用されています。まずミクロン(μm)とは、粒子径の長さを表す単位です。「μ(マイクロ)」とは、1000000分の1(10―6)という意味です。そのため、1mm=1000μmと換算できます。〇μmの値が小さいほど、粒度が小さくなります。
メッシュとは、長さ1インチ(25.4mm)の間にある網目の数のことです。100メッシュとは、1インチの間に100の網目があることを表しています。そのため、メッシュの数が大きいほど、粒度は細かくなります。
メッシュ番号 | 目開き(μm) | メッシュ番号 | 目開き(μm) | メッシュ番号 | 目開き(μm) |
---|---|---|---|---|---|
8 | 2360 | 24 | 700 | 80 | 180 |
10 | 1700 | 30 | 550 | 100 | 150 |
12 | 1400 | 35 | 425 | 120 | 120 |
14 | 1180 | 40 | 380 | 150 | 106 |
16 | 1000 | 50 | 270 | 170 | 90 |
18 | 880 | 60 | 250 | 200 | 75 |
20 | 830 | 70 | 212 | 300 | 48 |
【粒度表記について】
一般的に、微粉砕加工後に〇〇メッシュの篩を設置し、通過したものを回収して製品化しています。〇〇メッシュの篩を通過したもの=”〇〇メッシュパス”と表記されます。篩上に残ったものは”〇〇メッシュオン”と言われています。油分や糖分が高いものは、篩の目詰まりがしやすく、平均粒度が小さくても、メッシュの大きな篩は通りにくくなります。大量製造の場合、60メッシュ前後の篩がよく使用されています。
【粒度分布表の読み方】
当社では、レーザーミクロンサイダー(セイシン企業製)を使用し、粒度分析をおこなっています。下記画像は、当社の玄米パウダーの粒度を測定した結果です。
当社の場合、粒度分布表の平均粒度と分布図に着目しています。画像の通り、玄米パウダーの平均粒度[d(0.5)]は39.960μmでした。粉末品を規格化する場合、主に平均粒度を目安値とし管理をおこなっています。
また粒度分布を確認し、画像のように、分布の山が尖っている(赤色)方が、粒度の幅が小さくなります。青色で加筆したような分布の山が緩やかなものは、全体的な粒度のバラつきが大きくなります。一般的に、繊維が硬いものや筋が多いものは粉砕されにくく、篩がけの際にも繊維が縦向きで通過してしまうこともあり、粒度のバラつきが出やすくなります。
【各食品の粒度の目安と特徴】
各食品の平均粒度の目安は下記のとおりです。一般的に粒度が細かい方が舌触りが滑らかですが、生地に練り込む場合は、粒度の粗さの影響は少ないです。スムージーや粉末茶など水やお湯に溶かして飲む場合、粒度20μm以下にすると舌触りやのど越しが滑らかです。ただし、粒度を細かくすればするほど、ダマになりやすくなります。
グラニュー糖 | 500μm前後 |
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食塩 | 150μm前後 |
小麦粉 | 30~150μm |
米粉 | 20~150μm |
粉糖 | 40~100μm |
きな粉 | 30~50μm |
粉末茶 | 30μm前後 |
抹茶 | 10~20μm |
原料の特性により、どこまで微粉末化できるのかは異なりますが、微粉砕加工後にどのように使用されたいのか、ご用途によっても目標値が異なりますので、ご使用目的とともにご相談いただけますと幸いです。
当社の微粉砕加工の詳細については、微粉砕ページをご覧ください。ご興味がある方は、是非お問い合わせフォームよりご相談ください。